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学会誌

論文抄録

『医学教育』49巻・第5号【抄録】2018年10月25日

INDEX
特 集 日本医学教育学会50周年記念
1. 巻頭言
…鈴木 康之
特 集 日本医学教育学会50周年記念
2. 海外からの50周年の祝辞
50th Anniversary of the Japan Society for Medical Education
…Professor David Gordon
特 集 日本医学教育学会50周年記念
2. 海外からの50周年の祝辞
Testimonial for the Japan Society for Medical Education on the Occasion of its 50th Anniversary
…Emeritus Professor Michael Field
特 集 日本医学教育学会50周年記念
2. 海外からの50周年の祝辞
Congratulatory Remarks for the Japan Society for Medical Education
…Professor Ducksun Ahn
特 集 日本医学教育学会50周年記念
2. 海外からの50周年の祝辞
日本医学教育学会の創立50周年に際して
…関本 恒夫
特 集 日本医学教育学会50周年記念
3. 日本医学教育学会 年表
特 集 日本医学教育学会50周年記念
4. 日本医学教育学会大会 一覧
特 集 日本医学教育学会50周年記念
5. 医学教育の3賞
…齋藤 宣彦
特 集 日本医学教育学会50周年記念
6. 医学教育各賞 受賞者一覧
特 集 日本医学教育学会50周年記念
7. 過去の『医学教育白書』巻頭言・序 再掲載にあたって
…武田 裕子
特 集 日本医学教育学会50周年記念
8. 公開シンポジウム「医学教育:過去,現在,そして未来へ」
1. 医学教育の歴史
…福島 統
特 集 日本医学教育学会50周年記念
8. 公開シンポジウム「医学教育:過去,現在,そして未来へ」
2. 社会環境の変化―医療人類学の立場から―
…磯野 真穂
特 集 日本医学教育学会50周年記念
8. 公開シンポジウム「医学教育:過去,現在,そして未来へ」
3. 世界の医学教育の流れ
…武田 裕子
特 集 日本医学教育学会50周年記念
8. 公開シンポジウム「医学教育:過去,現在,そして未来へ」
4. これからの医師の役割-医学教育のあり方を考えながら
…伴 信太郎
特 集 日本医学教育学会50周年記念
8. 公開シンポジウム「医学教育:過去,現在,そして未来へ」
5.総合討論「日本医学教育学会の進むべき道」の記録
…椎橋 実智男
総 説 シリーズ:初期臨床研修と医学教育(第7回)
シリーズの振り返りと今後の展望
…日本医学教育学会 卒後・専門教育委員会
高橋 弘明,小西 靖彦,青松 棟吉,石原 慎
清水 貴子,高橋 誠,中川 晋,望月 篤,安井 浩樹
実践報告
(新たな試み)
どのようなことを,どのように学ぶか
-医学部における初年次教育の試み―
…淺田 義和,板井 美浩,松山 泰
招待論文 懸田賞受賞者によるリレー・エッセイ:平成19年度(第13号)
医療コミュニケーション研究と医学教育をつなぐ
…石川 ひろの
掲示板
(ニューズ)
第69回医学教育セミナー&ワークショップin信州大学
…多田 剛,川上 ちひろ
掲示板 障害のある医療者も医療機関で活躍できる:
役割機能別業務体制を導入している病院を見学して
…川上 ちひろ
日本医学教育学会50周年記念
1. 巻頭言

日本医学教育学会 理事長 鈴木 康之

本学会は1969年に“医学教育に関する研究の充実・発展ならびにその成果の普及”を目的として,全国医学部長病院長会議の賛同のもと,故牛場大蔵先生を初代会長として設立されました.当時,国内では大学紛争が激化し,医学教育に対する危機感が最高潮に達していた時代でした.以来,半世紀にわたり医学教育の進歩に貢献してきた本学会が50周年を迎えることに感慨を覚えるとともに,志高く教育研究活動を推進してこられた先輩会員諸氏のご努力と関係機関のご支援に,心から感謝したいと思います.
現在,本学会には2,600名を超す個人会員,310の機関会員が所属し,17の委員会を中心として,医学・医療教育の様々な分野で活動を展開しています.機関雑誌「医学教育」からは,医学・医療教育分野における様々な研究成果と情報が発信され,4年毎に発刊される『医学教育白書』は,幅広い視点から現状と課題がレビューされ,教育関係者の座右の書となっています.2014年度には「認定医学教育専門家資格制度」が発足し,現在135名の専門家が全国の教育研修機関の中核として活躍しています.毎年夏に開催される学術大会には1,000名を超える参加者があり,500題にのぼる研究発表と多彩な教育プログラムが企画されています.東京医科歯科大学での第50回記念大会では,50周年記念公開シンポジウム「医学教育:過去,現在,そして未来へ」が開催され,各シンポジストの洞察と示唆に満ちた発表と,参加者との活発な意見交換がなされました.その詳細が本特集号に収載されていますので是非ご一読いただきたく思います.
この半世紀,我が国の医学教育は,大学紛争,医師不足,少子高齢化,先端医療,医療倫理,地域医療,情報通信技術革命,国際化,格差拡大,そして人々の考え方の変化など,様々な社会変化と課題に直面しながら最善の道を模索してきました.また,医学教育理論と方略の革新,様々な研修制度改革,国際標準の教育体制の確立など,医学教育そのものも急速に変革が進行してきました.こうした激しい社会変化と教育改革は,指導者にとっても学習者にとっても大きな挑戦であり,これを乗り越えるためには,柔軟で創造的な能力を持つ人材を公正かつ多面的に選抜し,生涯にわたって活躍できる医療人と医学・医療教育のリーダーを育成していかなければなりません.“すべての医療人が教育的姿勢を持つ”ことを合言葉に,医療を担う全ての専門職が,自ら生涯学習しつつ,同僚・後輩を育成する意識を持ち続ける必要があります.本学会も未来の医学・医療教育を担う若きリーダーが羽ばたいていけるように学会活動を推進したいと考えています.会員の皆様におかれましても,それぞれの立場で“これまで”を振り返り,“これから”を考えていただければと思います.
次世代の医学・医療教育の発展のために,共に歩んでまいりましょう!

平成30年10月
日本医学教育学会50周年記念
2. 海外からの50周年の祝辞
50th Anniversary of the Japan Society for Medical Education

Professor David Gordon, FRCP FMedSci

日本医学教育学会50周年記念
2. 海外からの50周年の祝辞
Testimonial for the Japan Society for Medical Education on the Occasion of its 50th Anniversary

Emeritus Professor Michael Field, AM MD BSc

日本医学教育学会50周年記念
2. 海外からの50周年の祝辞
Congratulatory Remarks for the Japan Society for Medical Education

Professor Ducksun Ahn, MD FRCSC MA(Lit.) MA(Bioethics) P.g.Dip (M.Ed.)

日本医学教育学会50周年記念
2. 海外からの50周年の祝辞
日本医学教育学会の創立50周年に際して

日本歯科医学教育学会 理事長 関本 恒夫

日本医学教育学会50周年記念
5. 医学教育の3賞

齋藤 宣彦

1. 牛場賞
2. 日野原賞
3. 懸田賞

日本医学教育学会50周年記念
6. 医学教育各賞 受賞者一覧

牛場賞受賞者
日野原賞受賞者
懸田賞受賞者
特別功労賞受賞者

日本医学教育学会50周年記念
7. 過去の『医学教育白書』巻頭言・序 再掲載にあたって

武田 裕子

日本医学教育学会50周年記
8. 公開シンポジウム「医学教育:過去,現在,そして未来へ」
1. 医学教育の歴史

福島 統*

要旨:
1945年当時,我が国の医学部入学定員は1万人を超えていた.終戦後,サムス大佐により医師養成課程が改革され,医学校の統廃合,国家試験,インターン制度が導入された.卒後トレーニングは1968年に卒後臨床研修,2004年に法に基づく臨床研修に変わった.法に基づく臨床研修導入前は,医師養成に医局講座制度が深くかかわっていた.卒前医学教育は1948年に医学教育基準が策定され,全国統一のカリキュラムとなったが,新構想大学としての筑波大学医学専門学群の登場により,カリキュラムの自由度は高まった.これらの歴史を踏まえ,専門医制度のあり方や,医学教育カリキュラムの今後のあり方を考えていく必要がある.
キーワード:卒前医学教育,臨床研修,医局講座制,医師養成課程,医学教育史

History of Medical Education in Japan

Osamu FUKUSHIMA

Abstract:
At the time of 1945, the number of entrance to medical school in our country exceeded 10,000 people. After the end of the war, Colonel Sams reformed the doctor training course, consolidation of medical schools, national examination, internship system was introduced. After the internship system changed to postgraduate clinical training in 1968 and clinical training based on law in 2004. Before introducing the clinical training based on law, the doctor nurturing pathway was deeply involved by "Ikyoku-Kouza" system in faculty and attached hospital. Medical education standard was established at 1948 and became a nationwide unified curriculum, but the freedom of the curriculum has increased with the advent of Tsukuba University School of Medicine at 1973. Based on these histories, it is necessary to think about the ideal way of making a physician pathway and the future way of the medical education curriculum development.
Key words: undergraduate medical education, postgraduate clinical training, Ikyoku-Kouza system, way for making a physician of medical education


*東京慈恵会医科大学教育センター,Center for Medical Education, The Jikei University School of Medicine
日本医学教育学会50周年記念
8. 公開シンポジウム「医学教育:過去,現在,そして未来へ」
2. 社会環境の変化―医療人類学の立場から―

磯野 真穂*

要旨:
2017年のモデル・コア・カリキュラム改訂に伴い,医療人類学と医療社会学が初めて医学部のコア・カリキュラムに組み入れられた.これら学問の知は,生物医学が明確なひとつの答えを提示することができず,不確実性が生じる場面において有用であると思われる.20世紀の後半以降,疫学的知識に基づく早期介入が医学では盛んになり,また個人は,自身の健康に責任を持ち,未来の病気のリスクを飼い馴らすよう要請されている.不確実性に直面した患者は科学の目から見るとしばしば非合理な判断をするが,そのような際にこそ,患者の選択がどのような社会文化的,あるいは政治経済的背景から生じるのかを理論的枠組みの中で理解することを補助する医療人類学・医療社会学の知見が有用になるであろう.ふたつの学問の知見は医療従事者と患者が建設的な対話をするための場を提供するはずであり,そのための知見として本稿では,文化人類学者メリー・ダグラスのリスク論,医療人類学者アーサークラインマンのヘルスケアシステムを紹介する.
キーワード:不確実性,リスク,ヘルスケアシステム,監視医学

Managing Uncertainty-A Medical Anthropological Perspective

Maho ISONO*

Abstract:
The core curriculum of the Japanese medical schools was revised in 2017. As a result, medical anthropology and sociology were integrated into the curriculum. The knowledge of these disciplines is especially useful in the medical settings where uncertainty emerges due to biomedicine's sometimes limited ability to provide concrete answers. Since the late 20th century, early intervention based on epidemiological facts has been prevalent in medicine, and individuals are required to be responsible for their own bodies and taming the risks of future diseases. However, epidemiological risks can never predict an individual's future precisely. Patients inevitably face uncertainty and sometimes make choices that appear irrational in the eyes of science. In such a situation, medical anthropology and sociology give medical professionals perspectives that allow them to consider the choices of patients as shaped by their sociocultural and political-economic backgrounds. These perspectives will establish the place foundation for constructive dialogues between healthcare professionals and patients.
Key words: uncertainty, risk, health care system, surveillance medicine


*国際医療福祉大学, International University of Health and Welfare
日本医学教育学会50周年記念
8. 公開シンポジウム「医学教育:過去,現在,そして未来へ」
3. 世界の医学教育の流れ

武田 裕子*

要旨:
教育は社会的に構築される.医療は,保険制度はもとより,国の成り立ちや歴史,国民性,文化によっても影響を受け,国によってそのありようは異なる.大きく時代が変わる中,社会のニーズに応えられる医師の育成に向けて,医学教育がどのように取り組んできたか,また,今後の課題について概説する.4年ごとに改訂されてきた海外の教科書『Practical Guide for Medical Teachers(第5版)』と,本学会の『医学教育白書2018年版』の記述に加え,著明な医学教育研究者から頂いた意見をもとに,世界の医学教育の流れをいくつかの岸辺に立って眺め,わが国の課題について論考を試みた.
キーワード:医学教育,変化,医学教育研究, 健康格差, 健康の社会的決定要因

Global Trend in Medical Education

Yuko TAKEDA*

Abstract:
Education is socially constructed. How health care is provided also affected by many factors including culture, history, and economy as well as insurance system in a country. Medical school is responsible to foster physicians who could respond to societal needs in the era of health inequality. Based on the experts' opinions and changes in description of chapters in medical education textbooks, we review the global trend of medical education and discuss the challenges
Key words: medical education,global trend, medical education research, health inequality, social determinants of health


*順天堂大学医学部医学教育研究室,Juntendo University Faculty of Medicine
日本医学教育学会50周年記念
8. 公開シンポジウム「医学教育:過去,現在,そして未来へ」
4. これからの医師の役割-医学教育のあり方を考えながら

伴 信太郎*

要旨:
今,医学教育は大きな転換を迫られている.それにはさまざまな社会的背景があるが,それらを9つに分け,それぞれに伴って,これから変化が求められる医師の役割と,そのための医学教育改革について述べた.その9つの社会的背景とは,1) 高度先進医療の発展・医学知識の膨張,2) 医療のテクノロジー化,3) 患者の知識の増大・意識の変化,4) 人口の少子高齢化,5) ICT(情報通信技術)革命の進行,6) AI(人工知能)の発達,7) 医療の専門細分化,8) 医療関係職種の多様化,9) 世界のグローバル化,である.
キーワード:医学教育,医師の役割,社会的要因,変革

Future Roles of Physicians in Medical Education

Nobutaro BAN

Abstract: Changing societal environments are forcing us to prepare to assume new roles as physicians. The resulting changes coming to the practice of medicine require significant medical education reforms. Specifically, there are nine factors that impact this need for change. Those factors are: 1) expanding medical knowledge, 2) introduction of various new technologies into medicine, 3) easy accessibility to medical knowledge by patients and their family members, 4) an aging population, 5) rapid development of information and communication technology, 6) the imminent arrival of artificial intelligence, 7) specialization of physicians, 8) variety of health professionals, and 9) globalization-.
Key words: medical education, role of physicians, environmental change, change


*愛知医科大学医学教育センター長 特命教授
日本医学教育学会50周年記念
8. 公開シンポジウム「医学教育:過去,現在,そして未来へ」
5.総合討論「日本医学教育学会の進むべき道」の記録

椎橋 実智男

4人のシンポジストによる発表に続き,総合討論「日本医学教育学会の進むべき道」が行われた.座長の鈴木康之理事長から,日本医学教育学会に設置された「将来構想に関する若手ワーキンググループ(以下,将来構想WG)」(委員長:錦織宏代議員)について,当学会の将来の構想を色々な観点から自由に,若手・中堅の(理事でない)会員に考えてもらいたいという意図で設置され,活動しているとの説明があった.総合討論に先立って錦織宏代議員から,指定発言「将来構想WGでの議論」として,将来構想WGにおけるこれまでの議論について紹介があった.

シリーズ:初期臨床研修と医学教育(第7回)
シリーズの振り返りと今後の展望

日本医学教育学会 卒後・専門教育委員会
高橋 弘明*1 小西 靖彦*2 青松 棟吉*3 石原 慎*4
清水 貴子*5 高橋 誠*6 中川 晋*7 望月 篤*8 安井 浩樹*9

要旨:
臨床研修制度は5年に一度の見直しが行われ,2020年度から施行される「研修制度に関する省令」が2018年7月3日付で各都道府県知事宛てに通知された.公表された制度は,卒前医学教育のモデル・コア・カリキュラムや日本医師会生涯教育制度との一貫性を強く意識したものになった.日本医学教育学会卒後・専門教育委員会は,臨床研修制度と医学教育と題したシリーズをこれまで6回にわたり本誌に掲載してきている.今回,当委員会でシリーズ全体の振り返りを行い,新しい臨床研修制度とそれを取り巻く現状,これからの医学教育に関わる課題について意見交換した.その内容をシリーズの最終回として報告する.
キーワード:卒前医学教育,臨床研修制度,専門医制度,学修者評価

Review of Medical Training System in Japan

Japan Society for Medical Education, Post-graduate Medical Education Committee
Hiroaki TAKAHASHI*1 Yasuhiko KONISHI*2 Muneyoshi AOMATSU*3
Shin ISHIHARA*4 Takako SHIMIZU*5 Makoto TAKAHASHI*6
Susumu NAKAGAWA*7 Atsushi MOCHIZUKI*8 Hiroki YASUI*9

Abstract:
"The Ordinance of Ministry of Health, Labor and Welfare on Japanese Postgraduate Medical Training System" from 2020 was announced to each prefectural governor on July 3rd, 2018. This Medical Training system has been reviewed once every five years, and has been strongly aware of the consistency between the model core curriculum of the undergraduate medical education and the continuing professional development of Japan Medical Association. In this journal, Postgraduate Education Committee in Japan Society for Medical Education has published six installments of a series entitled "Japanese Medical Training System and Medical Education". We reviewed the series and discussed medical education trends surrounding the postgraduate medical training system and issues in the committee. We will be reporting the information as part of the seventh installment of the series.
Key words: undergraduate medical education, postgraduate medical training system, Japanese medical specialty education, learner's evaluation


*1 岩手県立中央病院医療研修部,Department of Medical Education, Iwate Prefectural Central Hospital
[〒020-0066 盛岡市上田1-4-1]
*2 京都大学医学教育・国際化推進センター,Medical Education Center, Kyoto University
*3 佐久総合病院研修医教育科,Department of Medical Education, Saku Central Hospital
*4 藤田保健衛生大学地域医療学,Department of Community Medicine, Fujita Health University
*5 聖隷福祉事業団顧問,Adviser, Headquarters, Seirei Social Welfare Community
*6 東京医科歯科大学臨床医学教育開発学,Department of Medical Education Research and Development, Tokyo Medical and Dental University
*7 東京都済生会中央病院人材育成センター,Center for Human Resource Development, Tokyo Saiseikai Central hospital
*8 聖マリアンナ医科大学医学教育文化部門医学教育研究分野,Research Institute for Medical Education, St. Marianna University School of Medicine
*9 美幌町立国民健康保険病院(呼吸器内科),National Insurance Bihoro Municipal Hospital
受付:2018年9月18日,受理:2018年9月19日
どのようなことを,どのように学ぶか
-医学部における初年次教育の試み―

淺田 義和*1 板井 美浩*2 松山 泰*3

要旨:
医学部1年生に対する初年次教育として,医学部での6年間の学習の全体像を示し,必要なスタディスキルをディスカッションやワークを通じて学習する授業を実践した.もともと講義として割り当てられた授業であったが,医学部の多彩な学習形式を体験できるよう,学生同士でのディスカッション,レポートの採点や論文の紹介などのワーク,学習記録のノート提出とMoodle上でのフィードバックの閲覧などを取り入れた授業を展開した.本教育実践を通じて,学生が医学部6年間でのコア・コンピテンシー獲得に向けての学習の道標を理解し,多様な学習方略の基盤となるスタディスキルを獲得することを期待している.本実践の学習効果は経年的な評価による検証が必要であり,検証に基づいた実践の改善に長期的に取り組んでいきたい.
キーワード:初年次教育,スタディスキル,アクティブラーニング,学部教育

What and How to Learn in Medical Schools:
A Case Study of First-year Experience Class

Yoshikazu ASADA*1 Yoshihiro ITAI*2 Yasushi MATSUYAMA*3

Abstract:
A first-year experience class for medical students was conducted to show a whole curriculum structure and to introduce some study skills through a few group work activities. Although the class was originally lecture-based, it was redesigned with active learning methods like group discussion, peer-review experience and peer-to-peer presentation using short articles. Students were asked to submit a learning record note and received feedback via Moodle. First-year students are expected to identify milestones toward the achievement of core competencies during the 6-year undergraduate curriculum and acquire basic skills leading to the development of various learning strategies. Learning outcomes of this attempt should be investigated for years and the class needs to be improved based on the evaluation.
Key words:first-year experience, study skills, active learning, undergraduate education


*1 自治医科大学情報センターIR部門,Jichi Medical University
*2 自治医科大学総合教育部門,Jichi Medical University
*3 自治医科大学医学教育センター,Medical Education Center, Jichi Medical University
懸田賞受賞者によるリレー・エッセイ:平成19年度(第13号)
医療コミュニケーション研究と医学教育をつなぐ

石川 ひろの

はじめに
私が懸田賞をいただいたのは,平成19年,帝京大学医学部衛生学公衆衛生学講座の助手をしていた時だった.11年が経ち,ちょうどこの4月に帝京大学(部署は異なるが)に戻ってきたところで,その年の懸田賞を一緒に受賞した向原圭先生から,今回このリレー・エッセイのバトンをいただいたことは,おもしろい巡り合わせだなと思う.
受賞の対象となった論文は,2006年にMedical Educationに掲載された『Evaluating medical student's nonverbal communication during the OSCE』1) だった.私が医学教育学会に出入りし,医学教育という領域に関わるきっかけとなった研究でもあり,医療コミュニケーションの研究と医学教育とのつながりを考えさせてくれた論文でもある.ここでは,この研究の舞台裏を含めて振り返りつつ,自分自身にとって医学教育研究とは何かということを改めて問い直してみたい.


*帝京大学大学院公衆衛生学研究科,帝京大学医療共通教育研究センター
第69回医学教育セミナー&ワークショップin信州大学

信州大学医学部医学教育研修センター センター長 多田 剛
岐阜大学医学教育開発研究センター 川上 ちひろ

障害のある医療者も医療機関で活躍できる:
役割機能別業務体制を導入している病院を見学して

川上 ちひろ*


*岐阜大学医学教育開発研究センター

一般社団法人 日本医学教育学会 リーフレット

第52回日本医学教育学会大会

J-STAGE

J-STAGE

認定医学教育専門家資格制度

一般社団法人 日本医学教育評価機構(JACME)

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