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学会誌

論文抄録

『医学教育』44巻・第3号【抄録】2013年06月25日

INDEX
原 著 学生の自己評価行動に与える確信度の影響
…有田 和恵,有田 彰,森田 孝夫,別所 正美,大野 良三
教育
実践研究
フィジカルアセスメント実習は薬学生の意識を変革する
…辻 琢己,吉田 侑矢,河野 武幸
総 説 医学教育における効果的な教授法と意味のある学習方法(1)
…西城 卓也,菊川 誠
短 報 研修医が関与したインシデント・アクシデント事例の検討
…石川 雅彦
短 報 症例基盤型感染対策シミュレーションコースによる学習者の認識変化
…中村 造,清水 博之,福島 慎二,水野 泰孝,早川 司子
奥川 麻美,阿部 幸恵,村瀬 訓生,天野 景裕,松本 哲哉
学生の自己評価行動に与える確信度の影響

有田 和恵*1 有田 彰*2 森田 孝夫*3 別所 正美*4  大野 良三*2

要旨:
背景:学生の自己評価行動への介入が行動変容を及ぼすか検討した.
方法:PBLテュートリアルの学生を2群に分け,I群には各評価項目を4段階で自己評価させ,Ⅱ群にはそれに加えてテュータ評価と一致するか否かの確信度を記入させた.
結果:Ⅰ群とⅡ群の自己評価パターンには有意の差がみられ,テュータ評価に比し,Ⅰ群は自らをより過大に,Ⅱ群はより過小に評価した.講義科目での成績を加味すると,確信度付加にかかわらず,成績下位者は成績上位者よりも自己をより過大に評価した.
考察:確信度を付加することで慎重な自己評価行動が行われることが明らかになったが,変化を示さない成績下位者には適切な個別指導が必要と考えた.
キーワード:PBLテュートリアル, 確信度, 自己評価, 学識点


*1 埼玉医科大学医学教育センター, Saitama Medical University, Medical Education Center
[〒350-0495 埼玉県入間郡毛呂山町毛呂本郷38番地]
*2 埼玉医科大学保健医療学部, Saitama Medical University, Faculty of Health and Medical Care,
*3 元奈良県立医科大学教育開発センター, Formerly, Nara Medical University School of Medicine, Education Development Center,
*4 埼玉医科大学血液内科,Saitama Medical University, Faculty of Medicine, Department of Hematology
受付:2012年8月10日,受理:2013年4月27日
フィジカルアセスメント実習は薬学生の意識を変革する

辻 琢己* 吉田 侑矢* 河野 武幸*

要旨:
背景:薬剤師養成を目的とした6年制薬学部の多くでフィジカルアセスメント実習が行われている.
方法:薬剤師の職能創成や学びのモチベーションの向上に対する本実習の有用性を明らかとするため,実習前後で生じた学生の意識変化をアンケート形式で調査し,自由記述内容をテキストマイニングで解析した.
結果:フィジカルアセスメントに関する技能を持たない学生に本実習を実施した結果,本実習で修得した知識や技能が薬剤師に必要であると考える学生が有意に増加し,学びのモチベーションも向上した.
考察:本実習は,積極的に薬物治療に貢献することの重要性を認識させるだけでなく,学びのモチベーションの向上にも繋がると考えられた.
キーワード:フィジカルアセスメント,臨床技能,バイタルサイン


* 摂南大学薬学部,Faculty of Pharmaceutical Sciences, Setsunan University
[〒573-0101 大阪府枚方市長尾峠町45-1]
受付:2012年12月27日,受理:2013年4月30日
医学教育における効果的な教授法と意味のある学習方法(1)

西城 卓也*1 菊川 誠*2

要旨:
・教授法や学習方法の選択においては,教育目標の分類との整合性や将来目指すべき学習者像との一貫性を図る必要がある.
・目指す学習者像として,成人として主体性のある学習者,自己主導的学習者,成熟したメタ認知を持つ学習者,省察的実践家,協同的学習者がある.
・海外の教育理論を応用するにあたっては,文化的差異を考慮するとともに,自らの柔軟な学習観と順応性にも焦点を置く.
・講義・小グループ討議・一対一教育が学習方法の基本である.それぞれの長短所を考慮した組み合わせを通じて学習方略が構成でき,唯一無二の学習方略はない.
・学習者は,より多様な学習方法への暴露と,学びに適した学習環境での学びを好む.
キーワード:医学教育学,医学教育専門家,教授方法,学習理論


*1 岐阜大学医学教育開発研究センター,Medical Education Development Center, Gifu University
[〒501-1194 岐阜県岐阜市柳戸1番1]
*2 九州大学大学院医学研究院医学教育学部門,Department of Medical Education, Kyushu University
受付:2013年5月24日,受理:2013年5月25日
研修医が関与したインシデント・アクシデント事例の検討

石川 雅彦*

要旨:
1) 日本医療機能評価機構のデータから検索した研修医が関連したインシデント・アクシデント111例を検討した.
2) 事例発生の根本原因は8つのカテゴリーに分類可能であり,それぞれに対して発生の根本原因を推定した.
3) 再発防止対策は,研修施設のさまざまなシステム構築や多職種協働によるチーム医療の確立が必要と考えられ,合わせて,卒前・卒後の一貫した医療安全教育が必要なことが示唆された.
キーワード:研修医,インシデント,アクシデント,RCA


* 公益社団法人地域医療振興協会地域医療安全推進センター
[〒102-0093 東京都千代田区平河町2-6-3 都道府県会館15階]
受付:2012年8月21日,受理:2013年4月27日
症例基盤型感染対策シミュレーションコースによる学習者の認識変化

中村 造*1 清水 博之*1 福島 慎二*1 水野 泰孝*1 早川 司子*1 奥川 麻美*2
阿部 幸恵*3 村瀬 訓生*4 天野 景裕*5,6 松本 哲哉*1

要旨:
感染対策を主眼とした症例基盤型のシミュレーション教育に関する報告はない.標準予防策と接触感染予防策の概念,個人防護具(PPE)の選択と着脱の理解と実施をコースの目標とした.
・受講した225人に受講前後でアンケートを実施し,感染予防策の理解と確実な実施,PPEの着脱と選択について検討した.コースの満足度も調査した.
・回収率は受講前88.4%,受講後95.1%.全質問項目において受講前に比較し受講後に有意に改善を認めた.コースの満足度は94.7±9.4点だった.
・症例基盤型でのシミュレーション教育は主観的評価で標準予防策と接触感染予防策,PPEの着脱と選択の教育に有用であると考えられた.
キーワード:ICTC,シミュレーション教育,感染対策,トレーニング,個人防護具


*1 東京医科大学病院感染制御部,Department of Infection Control and Prevention, Tokyo Medical University Hospital
[〒160-0023 東京都新宿区西新宿6-7-1]
*2 東京医科大学病院救命救急センター,Emergency and Critical Care Center, Tokyo Medical University Hospital
*3 琉球大学医学部附属病院 地域医療教育開発講座,Department of Community Healthcare, Education Program Development, University of the Ryukyus Hospital
*4 東京医科大学健康増進スポーツ医学講座,Department of Sports Medicine for Health Promotion, Tokyo Medical University
*5 東京医科大学臨床検査医学科,Department of Department of Laboratory Medicine, Tokyo Medical University
*6 東京医科大学血液凝固異常症遺伝子研究寄附講座,Department of Molecular Genetics of Coagulation Disorders, Tokyo Medical University
受付:2012年11月28日,受理:2013年5月3日

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