委員会活動
研究推進委員会
研究推進委員会 Education Research Committee
医学教育研究ワークショップ(報告書)
「産婦人科医の業績として医学教育研究が評価されること」を長期目標とし、医学教育の普及、推進に取り組んでいる日本産科婦人科学会教育委員会より日本医学教育学会研究推進委員会に医学教育研究企画開催の要請があり、下記のワークショップを開催した。
- テーマ
- 産婦人科教育に関する研究疑問を立ててみよう!
- 開催日時
- 2025年3月2日(日) 9:00〜11:00
- 開催方法
- Zoomを用いたオンライン形式
- ファシリテーター
- 日本医学教育学会研究推進委員会委員(菊川誠、林幹雄、今福輪太郎、大久保由美子、宮地由佳)
日本産科婦人科学会教育委員会委員(衛藤英理子、中西研太郎、松岡敬典、大平安希子、三島桜子) - 募集対象
- 日本産科婦人科学会会員(医学教育研究に興味のあるものの、経験のない初学者30名程度)
- 募集要項
- 国内外において産婦人科教育およびその研究に対する興味関心が高まっており、学術誌においても教育に関する研究出版が近年増加傾向にあります。一方で、教育研究の経験がない産婦人科医にとって、どのように自身の教育実践を研究にしていけばよいかについて医学教育の専門家に相談する機会は多くありません。本ワークショップでは、医学教育の研究をこれから始めたいあるいは始めようとしている先生方を対象として、皆様に持ち寄って頂いた研究疑問や関心のある研究テーマを小グループで議論し、医学教育に関する研究疑問を立案することを目標とします。具体的には、先行研究に基づくリサーチクエスチョンの設定、適切な研究方法の選択、倫理的配慮などに向けて、日本医学教育学会研究推進委員会メンバーが参加者と共に議論し、個々のニーズに合わせて研究疑問をブラッシュアップしていきます。
上記の募集に対し、Web上での参加者募集開始より約3週間で35名の応募があった。
https://www.jsog.or.jp/medical/9035/
ワークショップ参加者に対しては、当日までに医学教育学会誌論文「教育実践への情熱を基にした,冷静なリサーチクエスチョンの生成」を通読することを事前課題とした。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/mededjapan/45/5/45_331/_article/-char/ja
なお、参加者に対して事前アンケート調査を実施した結果(資料1)、医療者教育以外の研究経験はあるものの、医療者教育の研究は全くないという参加者が過半数であった。上述した調査結果をふまえ、企画者間で事前に複数回の打合せを行い、研究推進委員会が日本医学教育学会大会において毎年実施している初学者向け医学教育研究の基本を学ぶワークショップを原案とし、企画内容を検討した。ワークショップ当日の企画内容(スケジュール)は以下の通りである。グループディスカッション(計5グループ)は、各学会委員会委員より1名ずつがファシリテーターとなり、司会進行を行った。
- ワークショップスケジュール
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オリエンテーション : 企画趣旨説明(衛藤先生・加藤先生・増山先生・菊川先生) 10分
アイスブレイクセッション : 医学教育研究の特性-資料2(10分:林)
グループディスカッション : 各人の研究疑問の共有、質疑応答(45分)
休憩(10分)
トピックトーク : 適切な研究方法の選択-資料3(10分:今福先生)、先行研究の検索手法-資料4(10分:宮地先生)
共有セッション : 各グループでの議論の共有、質疑応答(15分)
全体総括 : 日本医学教育学会研究推進委員会によるWS企画の紹介、日本医学教育学会メンタリング制度の情報共有-資料5(10分:大久保先生)
各グループ間で行われたディスカッション内容はGoogleスライドを用いて参加者全員に共有が行われた。
https://docs.google.com/presentation/d/1XdMP-nbvBYwDGeERLalSPJHcVmbnsSBk-XskEkiF1u4/edit#slide=id.p
ワークショップ参加者の背景が多様であったため、個々の研究疑問も産婦人科に特有と考えられるもの(臨床手技や緊急処置等に関する内容)から、医学教育全般に関するもの(医学生教育、臨床実習、専攻医指導、多職種連携など)まで、多岐にわたる内容で活発な議論が行われた。また、参加者間での積極的な発言や建設的なコメントも数多くあり、グループディスカッションの時間をもう少し十分に確保する必要性を実感した。
日本医学教育学会研究推進委員会のファシリテーターからは、初学者が医学教育研究を立案するにあたり必要になると考えられる導入的内容をそれぞれのセッションで共有した(資料2~4)。また、同委員会において実施している企画(ワークショップ、メンタリング制度等)を紹介し、医学教育研究に興味を持った参加者がどのようにして今回立案した研究疑問を研究計画に発展していくことが出来るかの道標を示した(資料5)。
ワークショップ参加者に対して事後アンケート調査を実施した(資料6)。調査に回答した全員(21名)が今回のワークショップを周囲の人に本ワークショップを勧めたいと回答して下さり、医学教育研究をやってみたいというコメントも認められたことから、限られた時間ではあったものの、本ワークショップの開催は有用であったと実感した。一方で、ディスカッションの時間が不十分であったという意見がみられ、今後のワークショップでは、十分なディスカッションの時間を確保する、グループメンバーの人数を限定し、ファシリテーターの数を増加する等の対応を行う必要があると実感した。今後の計画案については、日本産科婦人科学会教育委員会と継続的に協議を行う予定である。




