日本医学教育学会(21−22期) 学習者評価部会
ある程度、多くの評価者が「診療体験学習の支援ツール」として評点以外の欄が埋められるようになったら、医学生であれば「4.臨床実習修了時(卒業時)のレベル」、初期研修医であれば「3.臨床研修の終了時点で期待されるレベル」を判断する基準を機関や部門で考えていきましょう。
「3)日本の卒前臨床実習、卒後臨床研修制度でのMini-CEXの扱い」で示した通り、医学生であれば「4. 臨床実習修了時(卒業時)のレベル」、初期研修医であれば「3. 臨床研修の終了時点で期待されるレベル」が、医学部、卒後初期臨床研修それぞれで最低限到達すべきレベルであることを意味します。
次の学習ステージに進んでより高度で複雑な内容を学ぶか、焦らず立ち止まり学び直すかを識別する境界については、教育機関/プログラム内の評価者で認識を共有し、評価基準の擦り合わせを行うと、評点による識別が有意義となります。この際、ルーブリックを作成することも有用でしょう。
はじめから全ての基準について擦り合わせを行うと疲弊してしまうおそれがあります。重要な尺度レベルの識別に、まずは注力してはいかがでしょうか。
令和4年度改訂 医学教育モデル・コア・カリキュラムp240
今回は医学教育コアカリ(令和4年度改訂版)を使用し、「頭痛」の外来患者で、症例の複雑さが普通である場合における、 「4. 臨床実習修了時(卒業時)のレベル」の基準の擦り合わせのプロセスをお示ししたいと思います。
その際に役立つのが、医学教育モデル・コア・カリキュラム令和4年度改訂版の電子版サイトです。(https://core-curriculum.jp/)
是非サイトにアクセスし、これから示す作業を、電子版の検索機能を活かして試してみてください。