日本医学教育学会(21−22期) 学習者評価部会
1. 病歴(病状の把握)
まず、1. 病歴(病状の把握)の基準を検討してみましょう。
さて、1. 病歴について「4. 医学生として望まれる能力を満たす場合」とは、どの程度が、医学生として望まれる病歴聴取(病状把握)能力といえるでしょうか。
そこで医学教育コアカリ電子版で「病歴」と検索してみましょう。
CS-01-01:医療面接が同定されます。
CS-01-01-01はコミュニケーション能力とも解釈できますので、CS01-01-02と-03とが今回の検討対象となりそうです。
試しにCS-01-01-02の観点で評価してみましょう。この際、病状把握力は症例の複雑さにもよりますので、先ほど言語化した「症例の複雑さ」を配慮しながら、CS-01-01-02の事項について「医学生自ら」病歴を聴き取り、情報を取捨選択し整理「できる」ようであれば「4」と判定できそうです。
医学生個人の学習目標であるので、「できる」ようになるというのは「医学生自ら(指導医の援助なし)」できなくてはならないと解釈できそうです。
なお、CS-01-01-02に紐付けられた基本的資質・能力「CS」には、「患者の苦痛や不安感に配慮し、確実で信頼される診療技能を磨き、医療の質と患者安全を踏まえた診療を実践する」と書かれています。
求められているのは「実践」です。
そして、CSの他の項目も読み込みと「臨床推論」や「診療録記録」もあり、「病歴における実践」には、臨床推論力や診療録記載力も含まれるわけですから、やはり第2章の学習目標を比較的広くとらえて、観察評価する観点としなければならなさそうです。
これは他の観察評価項目にも当てはまります。