医学教育2024,55(2): ~0 特集 インクルーシブ教育を考える 【4.障害のある医療者の体験】 4-5.発達障害(吃音)のある医師 菊 池   良 和* 要旨:  吃音症は言語障害であるが,発達障害者支援法の対象疾患である.吃音症は流暢に話せる時間が多いが,時々,吃音が出て流暢に話すことが妨げられる2面性がある.成長するにつれて,吃音を隠す工夫を覚えて,学校生活に適応できつつあるが,自分の吃音を客観的にとらえることが大切となってくる.吃音がある医師として,周囲の理解を得ながら,自分の吃音を向き合うことに必要な情報を共有する. キーワード:吃音,発達障害,社交不安症,合理的配慮 4-5. A Doctor with a Developmental Disorder(Stuttering) Yoshikazu Kikuchi* Abstract:  Stuttering is a speech disorder as well as a developmental disorder. It is distinguished by its dual nature. Typically, one can speak fluently, yet occasionally, stuttering disrupts this fluency. With growth, learning to conceal the stuttering becomes part of adapting to school life. However, it is also important to understand one’s stuttering objectively. As a physician who stutters, it is vital to impart necessary information about facing one’s stuttering and to gain understanding from others. Keywords: stuttering, developmental disorders, social anxiety disorder, reasonable accommodations 1.吃音のある医師として働く工夫  私は2005年に九州大学医学部を卒業し,医師として約20年間働いてきた.吃音のある医師として働く際に,困る場面とその工夫をまず紹介する.  一つ目は,「患者の呼び出し」.当院では電子カルテを使用し,患者の呼び出しは診察室前の番号で表示される.もしも,いない場合は他のスタッフに呼び出しをしてもらう.その理由として,吃音症の場合は,吃音が出る確率の高い言葉と流暢に話せる確率の高い言葉があり,放送や大勢の患者の前で吃音が出て変に思われる不安があるから,である.  二つ目は,「患者との会話および説明」.他の医師と同じく口頭のみで会話および説明をすることも多いが,吃音の調子が悪いときは,電子カルテおよびスマホの画面を使い,患者とのコミュニケーションを行っている.吃音のメカニズムとしては,自分の思うタイミングで言葉の最初が出なく,発話のタイミングのきっかけがあると発話ができるようになる.電子カルテに拡大した文字を見せながら話すと意外と言葉が出るし,スマホや筆談を併用しながら話すと声が出るものである.  三つ目は,「他院への電話」.用件のある医師への電話は,他のスタッフに電話をしてもらい,医師へつないでもらう所まで行ってもらう.その理由は,他院への電話は代表電話に連絡し,自分の名前と相手の医師の名前を言わないといけないが,電話口で吃音が出ていると,何度も聞き返される苦痛が生じるためである.  四つ目は,「手術前カンファレンス発表」.大学病院では外来医長として,翌週の手術のプレゼンテーションをしないといけないが,OHP,プロジェクター,マイクを使っている.このシステム自体は当科で以前から使われていたが,OHPで手術症例の内容をまとめた文章を見せながらマイクでプレゼンすると言いやすい.吃音のために声が小さくなる可能性があるが,マイクで大きくできるため,有用である.  五つ目は,「学会発表」.年に数回,学会発表があるが,7分の時間制限のある発表では,吃音の調子が悪いときに発表時間を超えることがある.その対策として,事前に発表動画を録画して,当日に動画を流す場合,会場のマイクを使った音声と同じであり,違和感はなく,時間通りに発表を終えられるメリットがある.  以上のような工夫をしている吃音症について,これから説明をしたいと思う.  2.吃音症とは?  吃音症(どもり症)は2歳から5歳の言語の急速な発達の時期に人口の5%に発症する言語障害と言われてきた.2000年代以降,障害を社会モデルで捉えはじめ,2005年に発達障害者支援法が成立し,吃音も含まれる障害となった.そもそも,発達障害の定義が「低年齢に発症し,原因が脳にある」ということであり,1996年のNatureで報告された吃音者の脳研究1)以降,吃音の原因は喉頭や舌ではなく,脳にあることが世界の吃音研究者たちの共通認識である.  吃音のハンディ(障害)の捉え方は,医学モデルでは言語障害,社会モデルでは発達障害という2面性がある.吃音のある小中高校生は学校に併設された通級指導教室に言語障害として支援・指導を受けている.ただ,大学で合理的配慮を受ける場合は,日本学生支援機構によると,吃音症は言語障害の分類ではなく,ICD-10にてF98.5吃音症という位置に分類されているため,精神障害(他の精神障害)として支援を受ける. 3.吃音症の患者は,診察時にどもらないことが多い  保護者・吃音のある本人ががっかりする一言は,医師の「軽い吃音ですね」である.表面上の吃音は非常に変化しやすいものである.吃音の相談を受けたことが少ない医師だと,吃音=「ぼ,ぼ,ぼ,ぼくは,お,お,お,おにぎりが,た,た,たべたいのだ」という語頭は必ずはっきりとした連発性吃音が生じると思っている人もいるだろう.  しかし,吃音は図1に示すように,幼児は音節の繰り返し(ぼ,ぼ,ぼ,ぼくは)や,引き伸ばし(ぼーーーくは)が主体だが,学童,成人になるにつれ,見慣れないと分かりづらい難発性吃音(・・・・・ぼくは)が中心となっていくのである. (ここから図1) 図1.年齢と吃音の変化 「音節の繰り返し(連発)」,「引き延ばし(伸発)」,「阻止(難発)」について,各年代(「幼児」「学童」「成人」)の吃音の割合を示した棒グラフです.「音節の繰り返し(連発)」は,「幼児」13%,「学童」6%,「成人」6%,「引き延ばし(伸発)」は,「幼児」6%,「学童」2%,「成人」0%,「阻止(難発)」は,「幼児」1%,「学童」4%,「成人」15%です.(コミュニケーション障害の臨床2 吃音p9改編) (図1おわり)  図1で分かることは,幼児の吃音頻度は約2割(連発が主体),成人の吃音頻度も約2割(難発が主体)となっている2).つまり,8割はどもらずに流暢に話している中,2割ほどどもるのである.そのため,少しどもっている程度が普通の吃音児なのである.その初回面接の時に,どもっていても,どもっていなくても,「吃音の相談がある」と親御さんから言われた際は,吃音があることを前提に相談に乗ることがポイントなのである.  幼児や学童の語彙が少ない時期だけではなく,ある程度語彙力が増え,社会人として働いている人の中にも吃音と分からない例がたくさんある.初診時に診察した耳鼻咽喉科医師が,当科で思春期以降の吃音を主訴として46名中に対して,吃音があると診断できた例は59%であり,41%は吃音とは分からなかった.そのため,約4割の成人は初診の会話ではどもっていないように見えるのである.  表面に出てくる吃音を問題にするのではなく,内面の「吃音=悪いこと」がもたらす悪循環(図2)がないか聞き,回避的な姿勢から社交不安症に陥らないように予防することが必要である.だいたい小学3年生のころから,どもらないことばを選ぶ言い換えが始まり,小学5年生には,この悪循環に陥っている児童はいるのである.しゃべる場面から逃げないように,「どもっても,落ち込まなくてもいいよ」「きみは悪くない」「きみは一人ではない」という言葉にて,自己肯定感を向上させる試みをしている. (ここから図2) 図2.「どもることが悪い」が引き起こす悪循環 図の左上より順に時計回りに言葉が書かれています. (左上)どもること=悪い⇒(右上)どもりたくない予期不安⇒(図の右下)吃音を隠す努力(吃音を隠す努力として以下が列挙されている.「あのー」「えっと」を使う(挿入),言いやすい前置きをつける(助走),言葉の順序を入れ替える(置き換え),どもらない言葉を選ぶ(言い換え),膝を叩く腕を振るなど(随伴症状),どもって全てを言わず(中止),しゃべる場面から逃げる(回避))⇒(左下)「なぜ,どもるのだろう?」どもって気分の落ち込み,反省,劣等感⇒(左上に戻る) (「吃音を隠す努力」から下方向へ別の矢印あり)40%の吃音者に社交不安症(SAD)を発症 (図2おわり)  4.歴史的な事実を知る  吃音の歴史的背景を知らないと,「吃音は意識させないように」「吃音になったのは親が悪い」「努力すれば吃音は治る」と間違ったアドバイスをしてしまう.吃音治療の歴史は世界に先駆けて,わが国において1903年,楽石社という民間矯正所が始めている.楽石社では3週間の集中入所訓練により,呼吸練習(腹式呼吸),発声練習(ハヘホ法,引き伸ばし法),精神強化訓練(死をかけても,吃音を全治しなければならぬと決心すること)を行った.その盛況ぶりは,30年間で約2万人もの吃音者が来所している.  その全治の根拠としては,吃音矯正本をどもらずに流暢に言えたら,「全治」という判断をされたのである.決まりきった文章をどもらないようになるには,反復練習によってほとんどの人が可能なのである.決まりきった文章だけどもらなくても,実際の会話でどもってしまうのが,吃音なのである.場面や言語負荷の量が多くなるとどもりだしてしまうのである.  そのため,1966年に創立した成人吃音者団体の言友会(げんゆうかい)は,いくら民間矯正所で訓練しても,3週間の訓練で根本的に治った人は少なく,社会の「吃音は治すべきもの」という偏見に苦しんでいた.そこで,1976年,言友会が「吃音者宣言」を発表し,「吃音は治すことは困難であり,治すことに時間を浪費するのではなく,吃音があるがままに自分らしく生き,社会参加しよう」という吃音者の権利・人権を宣言した.  小児の吃音に関しても,小学校に言語通級教室(ことばの教室)の併設が本格的になったのは1953年以降である.ことばの教室も当初は吃音治療という方針で行っていたが,やはり小学生に対しても吃音治療を行っても,吃音が治ることは少なく,吃音があるがままその子らしく生きることを支えることに変化している.  もう一つ,吃音の原因論として後世に甚大な影響を及ぼしているのは,1940年代にアメリカのジョンソンが発表した診断起因説である.診断起因説とは,「子どもの非流暢性な発話を,親が『吃音』と気づき,本人に意識させることにより,吃音が始まる(環境が100%)」というものである.「吃音は子どもの口から始まらず,親の耳から始まる」とも言われ,吃音が始まったのは,親のせいである,という親が原因論という話がここから生じているのである.また,「吃音を意識させないように」という言葉も同時に生まれている.  吃音は2歳から5歳の間に始まるものであり,1歳の「マンマ」「パパ」「でんしゃ」など単語レベルの発話時にどもっている子はいなく,1歳半健診のときにも吃音は発症しない.3歳児健診で「ことばの発達は心配ないですよ」と言われたのにもかかわらず,吃音が発症するのである.しかも,吃音の41%は急に発症することが分かっており3),その前に起きたイベントに関連付けられることが多いが,周りの環境要因ではなく,子ども本人の言語の発達過程で生じる体質的要因が大きいことが分かっている.最近の前向き疫学研究では,吃音は急激な言語発達の過程で生じる“byproduct副産物”という表現をされている4).つまり,育児態度により吃音の発症するのではなく,子どもの言語発達の際に,たまたま発症するものである.私は,「頭の回転が速すぎて,口がついてこれなかったのかもしれないですね」とオブラートに説明することもある.  そして,「吃音を意識させたら,吃音が始まる」という根拠はなく,逆に大人が子どもの吃音に触れることをタブーにすると,吃音のからかい・いじめが生じても助けてくれるSOSが親に届かず,子どもの自尊心が低下する.そして,思春期の自己同一性の確立の時期に,自分の話し方は何なのか,と思っても,「吃音」という名前を教えてもらえていなく,20歳をすぎてやっと「自分の話し方は,吃音,というものだったんだ」と知ることができる現状である.  当院では幼少時であっても,診察時に「吃音」という言葉を使い,吃音と向き合う・吃音とうまく付き合っていく方法を考える方針にしている. 5.吃音の受診年齢と専門家の役割  吃音は発症してすぐに病院に受診することは少ない.当院耳鼻咽喉科に吃音が主訴で来院した11年間,622名の内訳の年齢別の割合を紹介する.幼児期の相談は22%,小学生では26%だが,中学生10%,高校生7%,大学生11%,求職中5%,就職後16%,成人発症3%である.意外にも,中学以上が半数を占め,高校・大学だけではなく,求職中や就職後でも吃音の問題が生じることが特徴なのである.  「吃音を診てもらおうと病院に行こう」というきっかけとなるのは,多様である.「吃音が長く続いている」「吃音を治したい」「小学校に入学する前に診察希望」「学校の先生から病院に行くように言われた」「本人が病院に行きたいと言ったから連れてきた」「中学になり不登校となった」「就職の面接が失敗してばかり」「就職して,社訓が言えない」「電話ができない」「結婚式のスピーチが心配」などである.  その多様な訴えに対して,図3に示すように,専門家の役割としては家庭・学校・社会のパイプ役と,本人の吃音と向き合うことの支援を行っている.親やきょうだいに吃音を理解してもらえず,誤解を解くこと,本人の気持ちの代弁をすることをしている.学校では,友達からからかい・いじめが生じた際の対応を本人・先生に伝えることと,先生が吃音を誤解しないように理解を促す.そして,社会に対しては,吃音の偏見・障壁を解消し,社会の一員となれるように支援する.  吃音のある本人に対しては,今までの吃音体験から「吃音=悪いこと,人前ではどもってはいけない」と吃音のある子が思い込むことにより,不登校・ひきこもり・高校中退となり来院することがある.吃音のある子は,介入しないと,40%の割合で社交不安症(対人恐怖症)となってしまうのである.社交不安症は人口の10%と言われるが,吃音者はその4倍の高確率に発症するのである5).その社交不安症を予防するために,低年齢からの関わりが大切であり,早期支援が必要な根拠と言えるだろう.吃音診療で一番大切に考えているのは,この「社交性」である.「社交性」を保ち,育てるために,周囲に吃音の理解を促すことが専門家としてできる支援なのである. (ここから図3) 図3. 吃音の二方向の支援 図には吃音の専門家が行う支援として,「社会モデル」における支援と,「医学モデル」における支援の2種類が描かれています. 図の左上に「吃音のある人」と書かれています. 「社会モデル」では,「吃音のある人」から,①「家庭(親,祖父母等)」,②「園・学校(友達,先生)」,③「社会(仕事,偏見など)」に対してそれぞれ両側矢印が引かれており,「吃音の専門家」の役割は「パイプ役」となっています. 「医学モデル」では,「吃音のある人」から,④「その人の吃音」に両側矢印が引かれており,「吃音の専門家」の役割は「向き合う」となっています. (図3おわり) 6.吃音のある学生のインクルーシブ教育  吃音の問題は大きく分けて3つの問題がある.家庭(親,祖父母,きょうだい)で誤解されずどもる子を受け入れてもらえるのか,園・学校(先生,友達)に受け入れてもらえるのか,最終段階に社会に受け入れられて働き,社会参加できるのか,ということである.吃音のある学生のインクルーシブ教育は,休み時間(クラスメイトとの関係)と授業中(先生との関係)の2面で考える必要がある. 6-1.クラスメイトとの関係  非流暢性(音節の繰り返し)に対してメタ言語意識を調べた研究では,3歳,4歳ではそれぞれ,15%,30%と低かったが,5歳では80%,6歳では100%であった6).つまり,周囲の友だちが吃音のある子の話し方が異常である,と理解するのは5歳から始まるのである.臨床的にも,年中である5歳の吃音のある子が,同級生にからかいを受け始めて,受診動機としてつながっているのである.  吃音のからかい・いじめの初期症状は,①真似される,②「なんでそんな話し方するの?」と指摘され,③笑われる,の3つである.この3つを,診察時に子どもに尋ねるべきである.もしいずれかをされているならば,「誰にされたの? 嬉しかった?」と尋ねるようにしている.たいていは,仲の良い友達にされているのである.最初は親交のつもりで真似したり,指摘をするが,大人が説明しないと,吃音のある子は受け身のままの状態であることが多く,からかいがエスカレートしていじめとなる.小中学生の吃音のある子の60%は自分が嫌な思いをする吃音のからかい・いじめをうけているのである.  学校生活において,先生の役割は非常に重要である.2013年6月28日に公布された「いじめ防止対策推進法」では,吃音の相談を受ける者,または保護者がからかい・いじめがある事実を把握したら,在籍する学級に相談することで,いじめを防止できると記載している.この法律でのいじめの定義が,吃音のある子が嫌な思いをする行為が相当する.幼少時から真似・指摘・笑いを受け続けた子どもは,嫌なからかい・いじめをされないように大人が動いてくれるとは思ってないことが多い.だからこそ,からかい・いじめの兆候があれば,解決でき,「あなたは悪くないんだよ」と伝え続けていくことが,私たち大人が子どもを守れる支援なのである.  また,大学生であっても,クラスメイトに吃音の知識がない場合は,吃音の真似・指摘,笑いを受けることがある.自分で吃音の説明ができることが望ましいが,意外と吃音の説明を自分でしたことがない吃音者が多い.クラスメイトとの人間関係で嫌なことがないか?を尋ね,必要なパイプ役が周りの大人に望まれることだろう. 6-2.先生との関係  先生に渡す吃音の資料を準備していると,先生の理解向上につながる.親は自分の子どもに吃音があることを,大学生に入学後も伝え続けることができる.小学5年生頃から,吃音が以前より目立たなくなると,親は良くなったと安心して吃音に対して積極的に動く人が減っていく.  しかし,残念ながら多くの学校の先生も一般の人と同じように,吃音に対して十分に知識が備わっていない.そのために,吃音のある子がどもっていたら,「そんな話し方をしていると大人になって苦労するぞ」と言ったり,クラスメイトに笑われていても一緒に笑ったり,真似をしてからかう現状がある.難発性吃音を知らないために,答えるのに時間がかかると,「そんな漢字も読めないのか」「早く答えないか」「声が小さい」などいい,子どもの自尊心を傷つけることがあるのである.  「吃音がある」と先生が知ることにより,合理的配慮を考えることができる.先生側としては,「時間的な余裕」と「寛容な聞き方」が有効で,費用も掛からない配慮となる.吃音が重度の場合は,筆談などの口頭以外のコミュニケーションの取り入れることも有効だろう.  2016年施行の「障害者差別解消法」は,2024年に改訂され,私立大学でも合理的配慮が義務となる.大学入試の面接では,事前に吃音症があることを伝えることにより,吃音が出ても配慮されることが可能である.修学後も,英語の音読の配慮や,OSCEでの配慮も有効となってくる.吃音のある学生が悩みを一人で抱え込まないようにする支援が必要となる. 7.まとめ  吃音症の学生は,隠すことのできる障害のため,一人で悩みを抱え込むことが多い.吃音症は合理的配慮の対象であることを周知し,吃音のある学生と建設的な対話を行うことで,十分な教育の機会を提供できること期待する. 文 献 1) Fox PT, lngham RJ, lngham JC, et al.: A PET study of the neural systems of stuttering. Nature 1996; 382:158-62. 2) 日本聴能言語士協会講習会実行委員会(著). コミュニケーション障害の臨床2,協同医書出版社,東京,2001. 3) Yairi E. and Ambrose N. Early childhood stuttering. Austin: Pro-Ed, Inc 2005. 4) Reilly S, Onslow M, Packman A, et al: Natural history of stuttering to 4 years of age: a prospective community-based study. Pediatrics 2013; 132(3): 460-7. 5) Blumgart E, Tran Y, Craig A: Social anxiety disorder in adults who stutter. Depress Anxiety 2010; 27(7): 687-92. 6) 伊藤友彦. 構音,流暢性に対するメタ言語知識の発達. 音声言語医学1995; 36: 235-41. * 九州大学病院耳鼻咽喉・頭頸部外科助教, Kyushu University Hospital, Department of Otorhinolaryngology and Head & Neck Surgery, Assistant Professor 受付:2024年1月30日,受理2024年2月1日