医学教育2024,55(2): ~0 特集 インクルーシブ教育を考える 【4.障害のある医療者の体験】 4-2.聴覚障害のある医師 根 本   玲* 要旨:  聴覚障害のある医師として,読唇と補聴器,音声認識を使用しながら,医学生から研修医,専攻医そして専門医までの経験を報告する.主に,当事者団体「聴覚障害をもつ医学生の会」のネットワークを通じて,相談・情報交換をしながら,試行錯誤を経て,現在はリハビリテーション科医師として勤務している.ローテクや音声認識の進歩により働きやすくなっていることを実感する.これまでの経験をもとに,安全な医療行為を行う上で,聴覚障害のある医師に必要なスキルは,セルフアドボカシースキルを活かして,人間関係を構築してコミュニケーションをとり,組織と医療資源を適切に見極めることであると考える. キーワード:聴覚障害,医学教育,情報保障,セルフアドボカシー 4-2. Experiences of a Rehabilitation Medicine Physician Navigating Hearing Impairment Rei Nemoto* Abstract:  The amendment to the Medical Practitioners Act in March 2001 has significantly opened opportunities for individuals with visual and hearing impairments. Following this, there has been an increase in the number of physicians and medical students with hearing impairments; as of March 2024, the Japanese network of the Association of Deaf and Hearing Impaired Medical Students (ADHIMS) has 42 members.  As a physician with a hearing impairment, I aim to share my experiences transitioning from a medical student to a resident, to a specialist physician in rehabilitation medicine. I have used lip reading, hearing aids, and speech recognition for communication. As a medical student, I faced various challenges in becoming a physician, such as examinations for promotion, the Objective Structured Clinical Examination (OSCE), clinical clerkships, and so on. Thus, during my medical school years, not only was retention of knowledge crucial, but building relationships was equally important. As a resident, I found that effective communication with healthcare professionals became more accessible. Through consultation and information exchange within the ADHIMS, I have evolved into a physician specializing in rehabilitation medicine. Advances in low-technology aids and speech recognition have facilitated my work. I believe that communication skills, including self-advocacy and the ability to assess organizational and healthcare resources, are essential for physicians with hearing impairments to provide safe medical care. Keywords: hearing impairment,medical education,deaf support system,self advocacy はじめに  2001年3月に医師法が改正されたことにより,視覚障害,聴覚障害者にとっては大きな門戸が開かれた.その後,聴覚障害がある医師および医学生の数は増加し,当事者の会「聴覚障害をもつ医学生の会(Association of Deaf and Hearing Impaired Medical Students:ADHIMS)」1)の医師・医学生は42名在籍している(2024年3月時点).私が医学部に入学した2009年当初は,医師・医学生合わせて10名ほどであった.聴覚障害者にとっては大きなパラダイムシフトが生じ,聴覚障害があっても医師を目指すことが特別なことではなくなっている.  しかし,就学・就労の過程において,聴覚障害があることで健聴者よりも克服すべきハードルが高いことは否めない.実際,聞こえる医師の同志をみていても,それぞれ生き方が異なるように,聞こえない医師も聴力やコミュニケーション手段,専門科やライフスタイルが多様であり,十人十色のロールモデルが形成されていることを実感する.  本稿では,医師として勤務している個人の医学生・医師の経験について寄稿する. <自己紹介>  岡山市生まれ.高度感音性難聴(両耳平均聴力100dB),コミュニケーション手段は両耳補聴器を着用し,読唇,音声認識を利用している.岡山県立岡山朝日高等学校を卒業後,高知大学医学部医学科に入学.卒業後は,初期臨床研修医として高知県内の病院で経験を積む.京都府立医科大学リハビリテーション医学に入局し,リハビリテーション科専門医・指導医を取得.現在は,京都府内の回復期リハビリテーション病棟にて勤務する傍ら,パラスポーツの医学的サポート・研究に携わっている. 1.実際の業務内容や仕事をする上での調整について  (まず初めに,聴覚障害のコミュニケーション手段は,手話,読唇,補聴器,人工内耳,筆談,音声認識などと多様であることにご留意いただきたい.私は読唇と音声認識を併用したコミュニケーション手段で勤務している.私の経験を数ある聴覚障害の医師の1例としてご理解いただければ幸いである.) (1) 幼少・小・中・高校時代  幼少期に聴能訓練所に通い,口話術を獲得した.地元の公立学校の通常学級に通い,健聴者とスポーツ活動に明け暮れていた.勉学においては,ノートテイクなどのサポートを受けずに,先取りで自学自習を中心とした. (2) 医学生時代  医学教育は通常,コア・カリキュラムに基づいて6年間の授業や実習が組まれるため,基本的には大学間での大きな差はないと考えられるが,本稿では特に高知大学での取り組みについて説明する.  最初に,入学前に学生課・学内教育部門から派遣された支援コーディネーター(1~2年:一般教養(体育)講師,3年以降:医療学系教授兼循環器内科医)を通じて,配慮や支援に関する相談ができるよう通知があった.このおかげで,入学時はスムーズに相談が可能であった.授業中の情報保障について,医学部の授業は専門的な内容を想定していたため,支援が必要であると考え,FMマイクZoomLink(Phonak社製,スイス),補聴援助機器Roger inspiro(Phonak社製,スイス)を導入した.はじめは授業前に講師にFMマイクを首元にかけてもらうよう依頼していたが,授業が複雑化するにつれ理解が困難となり,毎回FMマイクを依頼することも煩雑に感じるようになった.同級生に授業プリントにメモをこまめに記入してもらい,授業後に教え合い,勉強会を開いて知識を補完し合うなど,同級生との良好な関係の維持が非常に重要であった.医学知識の定着は十分ではなかったものの,部活動や課外活動で培ったネットワークを活かして,情報収集しながら,留年せずに同級生と卒業することができた.  4年生後期のOSCE試験には,支援コーディネーターを通じて,配慮事項を協議した.ここでは,ADHIMSの先輩方の経験談を参考にした.例えば,医療面接では模擬患者にコミュニケーションや時間配分に配慮してもらう,問題提示は口頭ではなく書面にて行うことを依頼した.聴診器に関しては,音響増幅機能付の電子聴診器stethoscope model3200(3MTMLittman®:図1)を使用したが,聴力の問題から心音や肺音の聞き分けが難しく,聴診音問題は除外してもらった(実際には出題されなかった).しかし,看護学科のケースだが,水銀血圧計での測定時に聴診器で使用して血圧値を求める試験で十分な配慮がなされなかったとの話もあり,現実的に医師として活動する上では,水銀血圧計よりも電子血圧計が主流であり,柔軟な対応が求められると感じた.また,聴診器の使用についても,循環器内科でさえ波形を表示する聴診器や電子聴診器を使用することが増え,時代の変化に伴いOSCEでの電子聴診器の使用が一般的になることを期待している.なお,補聴器を使用している者からすれば,イヤーチップ型聴診器は補聴器を外す手間がかかるため,好まれない.補聴器の進化やBluetooth機能の搭載により,電子聴診器との連携が可能になり,補聴器で聞くことも可能になっている.  5年生~6年生の夏季までの診療参加型実習(クリニカルクラークシップ:通称ポリクリ)では,1班6人(男4,女2)に分けられた.ADHIMSからもポリクリが医学生時代で最もハードルが高いと聞いていたが,実際,想像以上の経験であった.タームが2週間と短く,一から障害を説明することの手間が煩わしく,慣れない環境に対する不安もあったが,支援コーディネーターが各科に周知してくれたおかげで,指導教員との理解を得られ,精神的負担は軽減された.1対1のコミュニケーション場面では,聴覚障害について説明し,ゆっくり話してもらうことで問題なく対応できたが,大人数が討論するカンファレンスでは内容が理解できず,専門用語の略語や,プロジェクターで表示されるカルテの内容ですら理解に苦しんだ.班員には筆談してもらうこともあったが,班員の余力次第であった.外科の実習では,ガウンとマスクをするため読唇ができないため,半ばあきらめモードで挑んだが,清潔内ではドレープにペンで書いて説明してくれたり,事前の予習次第で理解できることも多かった.外科系の教員は体育会系で明るく,ノンバーバルコミュニケーションが重要で,私のスポーツ経験に近い雰囲気であった.ポリクリを振り返ると,各科への事前の周知次第で,卒後の専門科の選択に大きな影響を与えると実感した. (3) 研修医時代  卒後は,同級生の協力が得られる高知県内での病院での研修を受けた.相談窓口は各病院の研修センター担当者であり,入職前のマッチング面談で聴覚障害について説明し,配慮事項について相談した.職場内の情報保障はなく,一人ひとりのスタッフに理解を得ることからスタートした.聴診器は海外サイトで見つけたイヤホンジャック付き電子聴診器ONE(Thinklabs社製,米国:図2)を自費で購入した.聴音は少しだけ聞き分けられるようになったが,確定判断は困難であり,周囲に代わりに聴取してもらった.  ポリクリで苦労したカンファレンスにおいて,一つ一つの言葉を聞き逃さないようプレッシャーも大きかったが,同じ大学の先輩・同級生のサポートのおかげで働きやすさを実感した.1-2カ月ごとにローテートで各科・選択科目を回り,短期間であっても経験を積むうちに医師としての必要なスキルが見えるようになった.また,ポリクリでは経験できなかった他職種との連携を通じて,医療従事者としての醍醐味を味わうことができた.さらに,高知県では“飲みニケーション”といった交流会も多く,他職種との仕事に関する相談がしやすく,様々な工夫を試みることができた.  例えば,救急当直中にPHSでの呼び出しに気付かなかった時の解決策として,救急室内の予備ストレッチャーで寝るなど,一緒にアイディアを出し合ってくれたり,トラブルを減らすために医療行為を行う際はダブルチェックや声に出したり,手術の外回りでアイコンタクトや身振りでサポートしてもらうなど,臨機応変な対応ができるようになった.一人で考えても解決できないような課題が迅速に解決できた経験は忘れられず,医師として働くことに自信がついた.  そして,研修医2年目後半に音声認識AIが発展し,高い認識率で発話内容を文字に置き換えることができるようになった.同時期にBluetoothの周辺機器の互換性が高まり,音声認識文字変換アプリケーションを実用的に活用することが可能になり,聴覚障害者にとっては大きな画期的な出来事となった. (4) 専攻医・専門医時代  元々,障害者スポーツとインクルーシブ社会に興味があり,専門はリハビリテーション医学の道を選んだ.京都府立医科大学附属病院で専攻医となり,相談窓口は医局長が中心となった.音声認識による情報保障を導入するために,補助金を申請していただき,補聴器と周辺機器の互換性が高い机上型集音マイクRogerTable mic(Phonak社製,スイス:図3),音声認識文字変換アプリケーションUDトーク®(Shamrock Records, Inc)の有料プランを導入した.また,あらゆる場面を想定して,必要であると考えたクリップ型・ペン型集音マイク(Roger Select,Roger Pen,Roger Clip on mic:いずれもPhonak社製,スイス:図4)を実費で購入した.これらをカンファレンスで複数人の発言を認識できるように,発言中心部に机上型マイクを2~3個置き,司会者および発言の中心者にはクリップ型マイク,ペン型マイクを持ってもらった.複数のマイクを同期することで集音範囲を拡張するマルチトーカーネットワーク機能を活かして,受信機の補聴器で聞けるだけでなく,音声認識で文字化した.ネットワーク環境が不良であったり,出席数が多くなれば,机上型マイクから発言者の距離が遠くなり,認識不良となることがあるため,席およびマイクの配置やネットワーク環境の有無には神経をすり減らした.  回復期リハビリテーション病院に出向すると,多くのリハビリテーションスタッフ(看護師,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,管理栄養士,医療ソーシャルワーカー,薬剤師,ケアワーカーなど)と関わるため,カンファレンスの回数がさらに多くなった(毎日15~30分×2~4回).ここでも集音マイクによる音声認識を活用することで,カンファレンスのハードルを乗り越えることができた(図5).  COVID-19による影響も大きく,マスク着用の必須化により読唇が困難となった.病院内にとどまらず,コンビニエンスストアでの会話も困難となった.そこで,救世主となったのが音声認識である.COVID-19をきっかけにリモート化・IT化が一気に加速し,オンラインの音質が改善され,音声認識率も向上した.カンファレンスではこれまでと同様に音声認識で大きな支障をきたさずに勤務することができた.当院でクラスターが発生した時には,感染ゾーン内でスマートフォンを持ち込めず,音声認識が使えなかったが,スタッフとのコミュニケーションは筆談と身振りが中心であった.  病院内で1人の当直業務の際には,病棟から離れた当直室で仮眠をとっているため,研修医時代で得られたアイディアは通用しなかった.またPHSにはBluetooth機能が搭載されていないことが多いためスマートウォッチとの連携もできないことがほとんどである.そこでADHIMSで一般的なPHSでも呼び出しが可能なデバイスがあるとの情報を得た.セルフォンリンガ(自立コム社製,日本:図6)でPHSやスマホに通知があると,振動部分であるベッドシェーカが振動するという仕組みである.この強度はとても強いため,補聴器を外して就寝できるほどで,とても重宝している.また,Google Pixelに自動文字起こしという機能が備わってからは,リアルタイムで音声認識がスムーズに表示されるため電話が可能になった.これまでは,電話の際はスピーカーにして周囲のスタッフと一緒に聞くか,スピーカー音を認識させる方法が一般的であったが,現在はPHSの転送機能を活用して,Google Pixelのスマートフォンに転送し,電話することができるようになった.この場合,話し手が発語できることが条件であったが,発語困難でも文字入力で電話のやり取りができる機能が追加され,電話のバリアフリー化が大きく進んだ.  リハビリテーション医療で関わる患者は多様であり,特にコミュニケーションにおいて失語症などの高次脳機能障害,認知症,構音障害があると読唇が難しくなる.その場合は,口話だけでなく,筆談,身振り,体表から発するサインから総合的に読み取るか,もしくは周囲のスタッフに代わりに確認してもらっている.リハビリテーション医療においては他職種を包括的に巻き込んでいるため,1人の患者あたりのスタッフ人数が多く,手を差し伸べやすい環境であると実感している.  また,専攻医から専門医になったことで,後輩医師を指導すると同時に,サポートを受けやすくなり,相互においてもWin-Winの関係を築きやすくなった.指導力向上のために,専門性を高めることが求められる.知識向上のためには,学術集会の参加や自己研鑽が必要であり,情報バリアフリーを求めて音声認識を導入するよう学会側に依頼することも多くなった.その際の学会側の情報保障の理解が十分でないところもあり,今後も継続して協力を得られるよう提言している.  近年は合理的配慮を含めた,障害に対する倫理的配慮が問題視されてきている.健常者視点を軸にあらゆる事が動いており,医療者の障害に対する理解が十分でないのが現状である.障害や病気を相手にする医療者こそ必要な知識のひとつであるため,各大学内の医学教育の導入や啓発活動がなされることを期待している. 2.自らの工夫や強み  学生時代は,ADHIMSで医師になった先輩はいたものの,自分の将来像に漠然とした不安を感じ,医師として本当に働けるのか疑問があった.学年が上がり,研修医に進むにつれ,将来への焦りが増していく中,「自分で責任とれるのか?」という疑問に直面した.この時,トラブルを回避するためには何が必要かを考え,組織の規模,個人の能力,医療資源の三つの要素が重要であると感じた.総合病院や大学病院から開業医,研究レベルなどと規模が異なる中で,専門性や地位により意見を通しやすく,自分の能力を発揮できるのかどうか.そして,社会資源が不足している医療現場で支援がない環境を想定して,ローテクやハイテクを導入できるか,マンパワーが十分かどうかを考慮した.  Self-advocacy(セルフアドボカシー)は,自分の障害について周囲に必要な支援やニーズ,権利を主張することを指す2).聴覚障害は目に見えないため,周囲から誤解を受けやすく,医療現場においては特にセルフアドボカシースキルが求められる.これらのスキルを高めて,組織や医療資源を見極めることが必要であると考える.  さらには,ADHIMSというグループの存在が大きな支えとなり,LINEグループを通じていつでも連絡が取れるネットワークがあり,悩む時間が短く,すぐに行動できた.現在も,年1回の対面もしくはリモートで交流を続けており,学年が近い先輩後輩とは友達のような関係を築いている.学生時代に主な話題であったのは,授業の情報保障,OSCE,ポリクリ,国家試験の配慮,聴診器の聴取など,聴覚障害特有の悩みが中心であった.ほとんどの大学では前例がなく,情報不足で試行錯誤であったため,ADHIMSの先輩方の経験が命綱であったことを鮮明に覚えている.  また,よりよい働き方を求めて,便利なローテクのみならず,アメリカの聴覚障害をもつ医療従事者のホームページ(Association of medical professionals with hearing losses: AMPHL)3)や論文から情報収集し,海外の障害者雇用や支援体制についてもリサーチの幅を広げている.日本にも聴覚障害をもつ医療従事者の会4)があり,医師以外の他職種とも問題共有・情報交換を行い,孤立を防ぐネットワークを築いている.  最後に,私にはパラスポーツドクターになって多くの人が運動を十分にできるようにしたいという希望が仕事への原動力となっている.障害があるからこそ,身体的,精神的,社会的に十分なパフォーマンス発揮ができない現状を少しでも改善していくために尽力している. 3.障害があり医療者を目指す学生へのメッセージ  医学生時代は知識の定着が重要であると同時に,人間関係の構築も重要であった.研修医時代では多職種連携を活かすことでコミュニケーションがとりやすくなることを体感した.医療従事者はみな「患者をよくしたい」という気持ちを持っており,ゴールや方向性は同じであるため,手を組んでもらいやすい環境である.しかし,医療資源に限界があることを忘れてはならない.必ずしも望む支援が受けられるわけではないため,支援が得られない状態から自分に何ができるのかを想定し,早いうちからセルフアドボカシースキルを鍛えておくことをお勧めする.  また,聴診器が使えなくても,超音波検査や画像検査で診断することがほとんどであり,診断に困ることはない.音声認識やローテクを活かして聞こえないことをカバーする方法もあり,今後はテクノロジーの発展とともにますます便利で働きやすくなるだろう.  組織によっては,補助金の利用や手話通訳の派遣が容易であり,電話代理依頼やカルテ内のチャット機能があるところもある.あえて,そのような環境を事前にリサーチして入職することも一つの方法である.自分の働きやすい環境がどんな場所なのかを見極めるためにも,転職経験は有益な手段である.また,相談・情報収集のために当事者同士のネットワークを築いておくことも有用である.  最後に「医療者になって何をしたいのか」を考えると,モチベーションが維持できると考える.医療機関に就職後にスキルアップを図れるか,ワークライフバランスが良好に保てるか考慮することで,より楽しく仕事に取り組めるようになると思う. まとめ  聴覚障害のある医師として,医学生,研修医,専攻医そして専門医までの経験を報告した.安全に医療行為を行うためには,人間関係を構築しコミュニケーションをとるスキルをどれだけ身に着けるか,そして組織と医療資源を適切に見極める能力が重要であると考えている. 文 献 1) 聴覚障害を持つ医学生の会http://adhims.blog92. fc2.com/ 2) Williams P, Shoultz B. We can speak for ourselves: self-advocacy by mentally handicapped people. Human horizons series. Souvenir Press(E&A); 1982. 3) AMPHL https://www.amphl.org/ 4) 聴覚障害をもつ医療従事者の会 https://jndhhmp.org/ * 京都田辺記念病院/京都府立医科大学大学院リハビリテーション医学,Kyoto Tanabe Memorial Hospital/Department of Rehabilitation Medicine, Graduate School of Medical Science, Kyoto Prefectural University of Medicine 受付:2024年3月4日,受理:2024年3月5日