学生・研修医・医療者教育指導者のための学修者評価ガイド
~理論と実践~

日本医学教育学会(21−22期) 学習者評価部会

第1章教育現場でコンピテンシーとEPAsを評価する際の理解のために

1) 基本編

(6) コンピテンシーとEPAs

 コンピテンシー基盤型教育における鍵は最終的な学修成果です。医師として身につけるべきコンピテンシーは能力(の領域)であるので卒前の医学生、初期臨床研修医、専攻医、そして、生涯教育と続く時間の中で永遠に上のレベルを求めていくものになります。しかし、我々が開発するカリキュラムは時間軸というものが必ず存在し(医学部であれば6年間、初期臨床研修であれば2年間)、その期間の中で修得されるべき目標はEPAs(図上段)で表され、そして、ひとつひとつのEPAsの中には複数のコンピテンシーが包含されている形になります(図下段)。つまり、時間制限のあるカリキュラムの中ではEPAsが最終的に修得すべき業務能力となり、その中に医師として必要なコンピテンシーが含まれている…という関係になります。