学生・研修医・医療者教育指導者のための学修者評価ガイド
~理論と実践~

日本医学教育学会(21−22期) 学習者評価部会

第1章教育現場でコンピテンシーとEPAsを評価する際の理解のために

1) 基本編

(2) マイルストーンとは

 マイルストーンとはそもそもその名の通り「道標(みちしるべ)」のことを指します。コンピテンシーとは医療者が生涯かけて修得すべき能力です。コンピテンシーは医学部教育、初期臨床研修、専門医研修等で達成すべき到達度は異なります。医師の最終的に卓越した医療者というレベルに向かっての道標…医療者のコンピテンシーを修得するまでのステップを示したものがマイルストーンになります。

 北米では専門領域共通の医師としての6つのコンピテンシーが設定された後で各医学専門領域がそれぞれの専門領域に合わせてより詳細に、具体的に記述した下位コンピテンシーを作成し、それぞれにおいて、その到達レベルを5段階で設定する「マイルストーンプロジェクト」を実施しました。

 日本においては初期臨床研修における9つの資質能力に対して、研修評価票Ⅱにマイルストーンが提示されています。日本小児科学会では5つのコンピテンシーに対してマイルストーンを作成しています。どのような研修段階においても目の前の患者さんに対応する能力を評価する際には、学修者のその時点で修得している実践のレベルと次に修得すべきレベルを明らかにする上でマイルストーンは重要な役割を担います。

https://www.acgme.org/milestones/milestones-by-specialty/